虚愛コレクション
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中学2年生くらいの事だったと思う。それを見たのは。
雑踏に紛れてパパと知らない若い女の人が腕を組んで歩いていた。
心臓が早く鼓動を始め、なのに体は急速に冷えていくばかり。友達が笑いながらあっちにいくとラブホ街があるよと教えに来た方向に、二人が歩いていくのを見たときには理解出来た。
浮気だと。
それからよく見ていればパパとママはどんどん会話が少なくなっていって、今にも離婚なんてしそうで、だからこそ、私は繋ぎ止めようと必死で。浮気相手が居るなら、離婚したら私は必要でなくなるだけでなく邪魔扱いだろう。
そんなのは嫌で。パパに捨てられるのは嫌で。最悪ママと二人でもいいかもしれないけど、やっぱり三人家族でいたくて。
「パパ、今日はこんなことがね……」
「ママ、今日はね、テストが」
小学生のごとく会話を振って、振って。いい子になろうと、いい子にしようとしていた。
「祈ちゃん最近テスト上位で頑張ってるねーー」
全ては家族の為。
「この辺一番の進学校に入学出来て、ママも嬉しいわ」
私が居れば、頑張れば、全ては上手く行くと思っていた。
「パパが入学祝いに何か買ってあげよう」
汚いな、気持ち悪いなと思いながらもすがりたかった。