虚愛コレクション
だって、誰だって“絶対”も“永遠”も持ち合わせて等居ないのだ。
いつかは、冷める。熱中していたそれも醒める。ずっと同じようには居られない。新しい刺激があれば其方に向かってしまう。
だからって独占される事を、する事を、望まない事も出来そうにない。
ああ、でもなら、どうしたいのか自分が分からない。
ぐしゃりと前髪を握り潰した。
もういい。分からないなら考えないでおこう。自ずと行き着くところに行きついてしまう筈だから。
今は盲目的に彼を見ていればいい。それだけで、独りに感じてしまう気持ちは楽になる。
「前の時も、前科持ちたくないって言ってましたよね。透佳さんそんなに危ない人なんですか?」
何故なら、一つだけ分かる事があった。
「どうだろうね。アンタの判断に任せるよ」
彼は私をしっかり見て、答えて、どうしようもない嘘は言わない。
只それが、私にとってはとても嬉しいと言う事だった。