虚愛コレクション
「誰にだって責められることをお互いにしたんです。それを清算せずに隠す事を私は選びます」
「……ほんと、馬鹿だねアンタって」
「だって、私只の女子高生で、今はまだ子供だから当たり前じゃないですか」
それでもと付け加える。
「子供のままで居るのは今日限りで終わりにします。貴方と同じような大人になる為に」
「汚くて狡い大人に?」
「違いますよ。透佳さんは優しい優しい人ですよ」
それはきっと否定される事で、それこそ綺麗ごとだけれど、秘密と思い出と共に箱に閉じ込めて隠してしまうのだ。外装だけを立派に飾り立てて。
そうして、彼は私の為に色々諭してくれていた優しい人、きちんとした形を持って終わらせようとした優しい人と、ほざくのだ。
「ほんと、女子高生って怖いね」
彼は私の言葉には何も言わず、そんな始まりに似たようなセリフを吐き出して、
「おにーさん、私の事結局名前で呼んではくれないんですね」
「アンタは結局、敬語のままなんだね」
始まりから進んだ会話をして、
「不服ですか?」
「さあね」
それでも変わらない会話で終焉に向かった。