【短完】だからどうか笑ってて

翔真side

翔真side


『私と、別れて』


彼女とデートにきて、突然告げられた言葉。


いきなりのことで面食らったが、そっと目を伏せた。

考えろ、俺。

絶好の機会じゃねぇか、俺。

できるだけ傷つけることなく心と別れられるんだぞ?

考えようとすると白いモヤがかかるようになった、使えない頭で必死に答えを探す。


どれだけ時間をかけたところできっと、俺の答えは変わらないのだから意味が無いだろう。


俺は、心と別れたいのだから。

ゆっくりと目を開けて、

「…何故?」

と聞けば、

『飽きちゃったの、翔真に。他に、好きな人が出来ちゃったっ…。』

涙ながらに語られた事実に、心臓のあたりがドッと抉られた気がした。

痛い。痛い。痛い。

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