僕の事飼いならしてよ
「近藤さん、それ。どこに持って行くの?」

「えっ……どこって、教室。」

「次の授業に使う資料なら、こっちだよ。」

うちのクラスの学級委員は、正反対の二人だ。


真面目で、完璧なザ・学級員というキャラ。

宮本 陸君。

おっちょこちょいで、天然キャラ。

近藤 結音さん。


日々、この二人のやりとりを聞いているだけで、微笑ましく思えるから、楽しい。

そして……

「本当に、あの子。大丈夫なのかな。」

はぁーっとため息をつきながら、職員室を出て行った近藤さんに、呆れている人。

そんな陸君と、私は。

生徒と教師と言う間柄なのに、密かに付き合っていたりする。


「ん?」

「何でもない。」

ただ、一つだけ難点があるとすれば、陸君は。

「僕に、見とれていたでしょ。」
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