僕の事飼いならしてよ
「はぁ!?」

「いいよ。いつまでも、見とれていても。」

ツンツンしているのに、たまにデレーッと、甘えてくる。

いわゆる、今流行りの猫系男子なのだ。


そんな訳だから、いつバレるのではないかと、ハラハラドキドキ。

お願いだから、みんなの前で、デレーッとしないで欲しい。


そしてある日の事だった。

教室で使った、社会科の資料を返しに行った陸君が、職員室の倉庫から、まだ出て来なかった。

「宮本君?」

暗い倉庫の中を、そーっと覗くと、一番奥で陸君が、うずくまっていた。

「どうしたの?」

慌てて陸君の元へ、駆け込んだ。

「先生……」

陸君の顔は、痛みで歪んでいた。

「怪我したの?」

押さえている手の指を見ると、血が滲んでいた。

「大変!」
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