彼が隣にいる理由
「でも、やっぱ年下はダメだね」

「何が?」

「価値観が違い過ぎる。あたし達は、いい年だし?付き合うなら、必然と結婚がチラつくわけで・・・」


愛子の言葉に、心の中で独り頷く。


「でも相手は若いから、結婚なんてこれぽっちも考えてない。だからと言って相手に合わせてたら、こっちがお婆ちゃんになっちゃうよ」


盛大なため息を零した愛子は、今の彼と真剣に未来を考えているのだろう。


「愛子、彼氏いたんだね」

「つい最近デキた。でも、すぐに別れると思う」


愛子は、切なそうに眉を下げる。

そんな愛子のことを、少しでも何とかしてあげたい。


「デキることなんて何もないかもしれなけど、何かあったら言ってね?」


そんなあたしの言葉に、弱々しい笑みを浮かべた。

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