彼が隣にいる理由
今の愛子の悩みは、決して他人事ではない。

まぁ、まだ愛子の方が現実味は帯びているが・・・


「ねぇ、文香!」


何か思い立ったような愛子は、さっきの弱々しさが嘘のように怪しい笑みを浮かべている。


「一緒にキャンプ行かない?」

「キャンプ?」


キャンプなんて、1度も言ったこと無いんだけど・・・


「そう、キャンプ!今度、彼氏と行くの」

「なら、2人で行きなよ」


デートの邪魔なんてしたくないし、そんな趣味はあたしにはない。


「2人なら、文香のこと誘わないよ。毎年ね、大学の頃の友達と行ってるらしいの。それで一緒に行こうって誘われたんだけど、100%浮くと思わない?」


若い子の中に、アラサーが1人とか恐怖だね。

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