彼が隣にいる理由
「30近いあたし達が合コンって、そろそろキツくない?」

「何言ってんのよ!今回の誘いは、あっちから。歯科助手って、意外とブランド力あるのよね~」


どんなブランド力だよ!


「それにあたしも愛子も、歯科助手じゃなくて衛生士だよね?一応」

「良いの。細かい事は!!」


確かに同じ制服を着て、診療室に居たら、みんな同じに見えるのだろう。


「だから、文香も付き合いなさいよ」


愛子の話を適当に流し、就業時間になったので仕事を始めた。

特別なりたくて、歯科衛生士になったわけではない。

ただ、なんとなく・・・・

それでも、仕事が嫌いなわけではない。

胸を張って好きだと言うまでもないが・・・

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