彼が隣にいる理由
「乾杯~!!」

仕事を終えたあたしは、半ば強引に愛子に連れて来られた合コン。

昔は、それなりに合コンに期待もしていた。

あたし達の仕事は、出会いなんてないに等しいし。

でも合コンに来る男なんて、大半は体目的が多い。

それは、あたしにも問題があるのかもしれないが・・・


「文香ちゃん。一緒に抜けない?」


お手洗いに向かった、あたしの後を付けて来たのだろうか?

トイレから出ると、待ってましたと言わんばかりに男が声を掛けて来た。


「俺、文香ちゃん狙いなんだよね」


小さな笑みを浮かべ、何処か自信有り気に言う。

30近い淋しい女が、合コンに来て出会いを求めている。

少し甘い言葉でも掛けたら、簡単に抱けるとでも思われているのだろう。

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