彼が隣にいる理由
地味に傷つくが、その行動に文句を言えるほど、あたしは大層な人間でもない。


「人数合わせで呼ばれただけなので、あたしのことは気にしないでください」


当たり障りのない言葉を返し、その場を後にしようと思ったのだが、男に阻止される。


「計算?それとも、理想が高いのかなぁ?いい年して合コンに来てるんだから、それなりに空気読んでくれないと」


にっこりと嫌みたらしい笑みを浮かべる男に、あたしはきっと小バカにされているのだろう。


「年下って、興味ないの。若いから体力はあるかもしれないけど、自分勝手で全然満足できそうにないし」


こっちだって、無駄に年取ってねぇんだよ。

言われっぱなしは癪なので、不敵な笑みを浮かべ、敢えて馬鹿にするように見下す。

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