俺様王子?!☆second☆


【美姫】


着なれない衣装でぎこちなく歩く。

“会場”の前には何故かタキシード姿のお父さんが立っていた。

その瞳は涙で潤んでいてこれから起こることを物語っている。


「いい、旦那さんに会ったな、美姫。」


「……お父さん……。」


「最近、龍斗君が俺と佳代子のところに来たんだ。
“美姫さんとの正式に結婚を許してほしい”と。
経済的にもなんの問題もないし、前に話したときもいい子だし、
悔しいが、………許した。
でも…“結婚式はサプライズでやりたい”なんて言われたときはさすがに驚いたよ。」


龍斗…………。

その時―――
お父さんの瞳から一筋の涙が溢れた。
普段、人の話を聞かなくて、騒がしくて…前にした私の結婚話は簡単にOKして…
本当は、不安だった。
後から、ダメだとか言われたらとか…心のそこでは思っていた。

そんなお父さんが、今…泣いている。

でも…ちゃんと考えてくれていたんだ。

そりゃ、そうだよね…。

あんなお父さんでも…私の“お父さん”なんだから…。



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