16歳と18歳
色々と考えた末、出した答えは学校に残って雨が止むまで勉強して待つということだ。
昇降口まで来たもののもと来た道をまた引き返して自習が一番しやすい図書室に向かう。
いつもなら埋まっているはずだか今日は雨ということもあり図書室には誰もいない。
ラッキーなんて思いながら古典の文法書を取り出す。取り出すそのガサッという音や、開くペラッという音が図書室内に響き渡る。本当に誰もいないんだということを彼女に言っているかのように。

ガラガラ、と、沈黙の図書室に音がした。
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