ふたりごと
心の中でとくん、と心臓が動くのを感じた。
わたしがさっきまさに思っていた神様に感謝、って言葉をまさか神崎君も口にするなんて思ってもみなかった。
でも、この時のわたしにはこの心臓のドキドキの正体がわからなかった。
そのうちにチャイムが鳴りわたしたちは教室に戻った。
周りの女の子たちが二人で戻ってきたのを見てざわざわとしていたけど、今のわたしにはどうでもいいことだった。
―こうしてわたしたちは始まったんだ。