ふたりごと

『そっか、俺も読んでみたいな。

美雨がそんなに言うなら絶対面白いもんね』

彼のそんな一言で、わたしの心臓のドキドキが止まらなくなる。

どうして、なのかな。

考えてもわからなくて、赤くなる顔が恥ずかしくて、ごまかすようにわたしは言った。

『直人くんはどうして手品を始めたの?

なかなか自分一人で始められるようなものじゃないし…』
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