ふたりごと
そしておじいちゃんは俺にこのトランプをくれること、手品のやり方を教えてくれること、手品の勉強は土曜日の午後にやることを告げた。
俺は謝るタイミングを逃し少しどきまぎしていたが、一拍おいてありがとう、と感謝の気持ちを伝えた。
今になって考えるとおじいちゃんが怒鳴らなかったことは本当にすごいことだと思う。
おじいちゃんは俺の性格や今までの境遇なんかを考えて、最善の行動をとっていた。
おじいちゃんがいたから今の俺がいる。
母さんと同じくらい、もしかしたらそれ以上に俺にとっておじいちゃんは大切な人なんだ。