雨宿り〜大きな傘を君に〜

「高校休んでまで崎島と過ごして、塾サボってさ。腹ただしいだろう」


「…写真のことがあったから…それにその前から佐渡先生のことでもやもやしてて。あまりよく眠れてなくて、本当に寝過ごしただけで」


分かって欲しくて言い訳を並べる。


「ハナちゃんは、崎島と恋愛した方がさ、ずっと幸せで楽しいと思うよ」


「勝手に決めつけないでください。私は菱川先生が、好きなんです。例え先生が私を好きになる可能性がゼロパーセントだとしても」


「……俺、さっき君のことが好きだって言ったけど」


「信じられません」


「どうして?」


「緒方さんに言っていたじゃないですか。私を好きになる可能性はない、って。立ち聞きして、すごい傷付きました」


「…聞かれたか……どうやって俺の君への気持ちが本物だと、証明したらいいの?」


「さあ…」


そんなこと聞かれても私も分からない。


互いに顔を見合わせて首を傾げる。


他人の心の中が見えたらいいのにね。
きっと私のハートは、真っ赤だろうけれど、あなたへの想いを隠さずに伝えられるのにね。

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