小悪魔彼女×溺愛彼氏
「とりあえず、来て。」


椅子から立たされたと思ったら
とても自然に私の手をとり歩き出した。


訳が分からない私はただ、
響き渡る女の子たちの悲鳴を背に
彼に着いていくしかなかった。


廊下を歩いている時に
HRが始まるチャイムが鳴ったけど
そんなの気にも留めない様子で
彼がようやく足を止めたのは
授業棟から遠く離れた
別の棟の空き教室だった。


中に入るとカチャっと音がして
何故か鍵を閉めた彼。


「え、なんで、鍵…。」


「ん~、逃げられたくないから…?」


疑問形で返されても…。
ってかこの人こんなキャラなの?
さっきとは打って変わって
ニヤっと浮かべた笑みは
色気を放っていて、
つい目が離せなくなる。
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