小悪魔彼女×溺愛彼氏

手、出すな

あれから一時間目の授業をそこで過ごした。


「ねぇ、何で私の事好きなの?」


「教えない。」


「じゃあいつから?」


「それも教えない。」


「じゃあ、バスケを始めたきっかけは?」


「なんとなく。」



……もう撃沈。


何聞いても答えてくれないし、
答えたと思ったら
なんとなくって。
またさっきとは別人のように
なってしまった。


「噂通りのクール王子様か。」


小さく呟いた声は
彼にも届いていたみたいで、


「クール王子?なんの話だそれ。」


きょとんとしていた。


え、まさか


「自分がそうやって呼ばれてる事
知らないの…?」


「は?俺の事?」


知らなかったみたいです。


だから教えてあげた。


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