小悪魔彼女×溺愛彼氏
「まぁ、優勝したらの話だけどね!」


強がってしまう癖は
本当に可愛くないと思う。


「そんな事言って
心の中ではちゃんと俺の事
信じてくれてるくせに。」


…どうして見破られるんだろうね。


「斗真はエスパーですか。」


「なわけ。美桜が好きなだけ。」


斗真は私をドキドキさせる天才だ。


「じゃあ、俺ら練習あるから
気を付けて帰れよ。
弁当ありがと。またよろしく。」


私の頭に大きくて暖かい手を
ポンと乗せて部員の子達と
練習場へ行ってしまった。


「…美桜、顔真っ赤だよ。」


莉子に言われなくとも自分で分かっていた。
なんでだろうね。
付き合って1年以上も経つのに
斗真の行動1つに胸が高鳴る。
まるで片想いしているように。
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