小悪魔彼女×溺愛彼氏
手を振ると
軽く右手をあげて返してくれた。


『おめでとう』


口パクでそう伝えると


『ありがとう』


と、口パクで返ってきた。


実際はたくさんの人がいるのに
この瞬間、2人だけの空間になったみたいで
心がくすぐったかった。


その後、一旦ギャラリーに戻ってきた斗真に


「シュート打つ直前、
美桜の声、はっきり聞こえた。」


サンキュって頭を2回ポンポン
ってしてくれて、
また胸がキュンって音を立てた。


あれだけの歓声の中で
私の声を拾ってくれた。


…嬉しすぎてその後は終始
にやけっぱなしだった。
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