小悪魔彼女×溺愛彼氏
何とか手を振りほどこうとしていた時、
手首に痛みが無くなった。
でも、これは私が離したんじゃない。

私の、大好きな人の香り。
爽やかなレモンの香水。


「俺の彼女になんか用?」


いつもの何倍も低いトーンの声が
耳に届いた。
斗真の威圧にひるんだのか


「…っ彼氏がいるなら言えよ!」
「その女が何も言わなかったんだからな!」


そう慌てて捨て台詞を吐き
あわあわと逃げて行った。


いや、私1人?って聞かれて
違うって否定したからね。
嘘つくなんてサイテー。

あっかんべーって
あいつらの後ろ姿にしてたか


「バカ。」


ピンとおでこをはじかれた。


さっきとは違って
すごく優しいトーンの声。
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