俺の「好き」は、キミ限定。
 


「とりあえず、アンタのことは認めてあげる。でも……アンタが今後、美織を傷つけるようなことがあったら絶対に許さないから」

「ミオを、傷つける?」

「……そうだよ。美織は中学の頃、バカな男に傷つけられたことがあるの。だからまた、そのときみたいに美織が傷つくようなことがあれば、僕はアンタを絶対に許さないから──」

「ごめん、お待たせしました、トイレが混んでて……!」


そのとき、タイミング悪くミオが戻ってきた。

咄嗟に口をつぐんだたっちゃんは、何事もなかったかのようにミオに向き直ると「おかえり」と笑顔を見せた。


「ほんとに、ごめんなさい……! ふ、二人で何、話してたの?」


申し訳なさそうに席に座ったミオは、不安げに俺の様子を伺った。

その仕草がまた可愛い……なんて思う俺の脳裏には、たった今たっちゃんから聞かされた話がグルグルと巡っていて、上手い返事が出てこない。

 
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