俺の「好き」は、キミ限定。
 





「もういい加減、二人で何を話してたのか教えてくれたっていいのに……」


朝の教室には不似合いの、大きな溜め息がこぼれる。

肩を落とす私とは反対に、たっちゃんは新調したばかりのネイルをご機嫌に眺めていた。


「何度聞かれても、秘密は秘密です〜。っていうか何度も言うけど、そんな大した話はしてないし?」


その答えはもう、たっちゃんだけでなく、ユウリくんからも聞いていた。

ユウリくんとたっちゃんと私の三人でカフェに行ってから、早一週間。

相変わらずユウリくんとはメッセージのやり取りをしながら、次のレッスンはいつにしようかと検討しているところだ。

 
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