俺の「好き」は、キミ限定。
「それって、絶望的な反応だな」
朝から教室で机の上に倒れ込んでいると、強烈な留めの一撃を親友から喰らった。
昨日、図書館からの帰りに偶然ミオと会って海に行った話をし終えたところだ。
ナルの言う絶望的な反応というのは、俺がうっかり口を滑らせて、ミオに『好き』だと言ってしまったあとのミオの返事のこと。
『やっぱり、友達に好きって言ってもらえるのは嬉しいね? すごく、元気をもらったよ!』
もちろん俺は、友達としてではなく、ミオのことを恋愛の意味で『好き』だと言ったんだけど、ミオにはまるで伝わっていなかった。
「普通、少しでもユウリのことを男として好きだと思ってるなら、そういう反応は返ってこないもんな」
ナルは容赦がない。
キッパリと言い切るナルは今日も、海賊の少年が主人公の大人気漫画を読んでいた。