俺の「好き」は、キミ限定。
「ナルってさ……少しは俺を慰めようとか、そういう気持ちはないわけ?」
「ないな。だって慰めて、ユウリの片想いが成就するわけじゃないし。だから俺はお前の友人として、客観的な意見を述べてやってるだけだよ」
なんでそんなに偉そうなんだよ。
飄々と言ってのけるナルを前に、完全に返す言葉を失った。
なぜなら多分、今のはナルが正しい。
だって慰められたところで、ミオが俺のことを友達としてしか見ていないって現実は変わらないんだから。
「で、でもさ、友達から恋人になることだって十分あり得るだろ」
けれど、少しでも前向きになろうとして顔を上げれば、漫画に落としていた目を上げたナルの鋭い視線に射抜かれた。
「……はぁ?」
──あ、今、俺はナルの地雷を踏んだ。
そう思ったときには後の祭りで、ナルは深々と溜め息をついてから、眉間に深くシワを寄せた。