俺の「好き」は、キミ限定。
「うん……わかった。ありがとう、嬉しい」
長いまつ毛を伏せて頷くミオが今、何を思っているのかわからない。
だけど少しでも、ミオが今、俺を意識してくれたらいい。
友達としてじゃなく、俺のこと……少しでも、男として見てほしくて必死だった。
「……ありがとう。じゃあ、また今度電話する」
「……うん。こちらこそ、今日は送ってくれてありがとう」
微笑むと、ミオは桜色に染まった頬で頷いた。
ふわりと吹いた風が、離れた手を静かに撫でる。
手を振って歩いていく彼女の背中を見送ってから、俺は一人、たった今来た道を歩き出した。