俺の「好き」は、キミ限定。
 


「ミオ? どうかした?」

「う、ううん……! なんでもない! チケット、ありがとう……」


改めてお礼を言うと、ユウリくんは「どういたしまして」と言って笑ってくれる。

……やっぱり、新しい服を買ってよかった。

メイクも、たっちゃんに教わって、頑張ってみてよかった。

髪も服と合うように、今日は少しだけ巻いてみたけど変じゃないかな……?

もちろんそこまでしても、ユウリくんの隣に立つのが私じゃ、不似合いかもしれないけれど。


「……なんか今日のミオ、いつも以上に可愛い」

「へ……えっ⁉」

「あんまり、他の奴に見られたくないな……って、ウソ。ちょっと、見せびらかしたい気もするから複雑」


そう言うと、ユウリくんは私の前に手を差し出した。

思わず目を白黒させていると、ユウリくんはほんのりと頬を赤く染めてから口を開いた。


「手、繋ご。……混んでるし、迷子になったら困るし」


言葉と同時に、フイッと逸らされた顔のせいで見えた耳も赤い。

……高校生にもなって、迷子になんてなるわけないのに。

仮になったとしても、携帯電話で連絡を取り合えばいいだけだ。

 
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