俺の「好き」は、キミ限定。
「う、うん……。そう、だね」
だけど、どうしてか、それを言葉にできなかった。
どうしても……言葉にする気に、なれなかった。
ねぇ、どうしてユウリくんは、今、手を繋ごうって言ったの?
どうして私は……ユウリくんと、手を繋ぎたいと思っているの?
「……どこから見て回ろうか?」
伸ばされた手を掴むと、ギュッと握り返された。
ドキン、と鼓動が跳ねたと同時に、胸の奥がギューーッと甘く締め付けられる。
……男の子らしい骨ばった指と大きな手。
意識したら顔が上げられなくなって、思わずキュッと瞼を閉じた。
「あ、イルカショーやるみたい。そっちから見に行こうか?」
「あ……。う、うん! そうだね……!」
ユウリくんの言葉に慌てて返事をした私は、隣に立つ彼を見上げる。
綺麗なアーモンド型の目が、真っすぐに私を見ていた。
ああ、やっぱりカッコイイなぁ……なんて。
初めて会ったときからずっと、ユウリくんはカッコイイ。