俺の「好き」は、キミ限定。
「……ヤバッ! 彼女のほうと目が合っちゃったんだけど!」
「もう〜、アンタがあの男の子追いかけようとか言うから、彼女に怪しまれてんじゃん?」
女の子たちはそう言うと、気まずそうに目を逸らす。
かく言う私は、また胸の奥がモヤモヤして……。
やっぱり私……なんだか、変だ。
ユウリくんを連れて、今すぐここから動きたい。
……あの子たちから、離れたい。
「……ミオ。こっちも、飲む?」
「え……?」
「俺が頼んだの、ここの水族館限定メニューなんだって。今飲んだら、結構美味しかったから。はい、どうぞ」
つい手元に落としていた視線を上げると、綺麗なブルーの飲み物が、目に入った。
透明なカップの中でシュワシュワと炭酸が弾けて、ドリンクの底には真っ赤なチェリーが二つ、沈んでいる。
「あ、ありがとう……」
なんとなく断れなくて、差し出されたストローをパクリとくわえた。
すると口の中いっぱいに、ラムネソーダの味が広がって、美味しさに思わず顔が綻んでしまう。