俺の「好き」は、キミ限定。
 


「わ……これ、美味しい!」

「だろ? ちょっとレモンも入ってて、あんまり飲んだことない味だよな」


フッと息をこぼして笑うユウリくんがカッコよくて、つい笑顔に見惚れてしまった。

本当に、どうして今自分がこの人と一緒に水族館にいるのか不思議だ。

こんな、まるでデートみたいなことを、ユウリくんとできるなんて……。

あ──!

そのとき、ユウリくんがたった今私が飲んだばかりのストローを口に含んだ。

私は、そこでようやく、自分がユウリくんと関節キスをしたことに気がついた。

思わず目を丸くして固まると、チラリとこちらを見たユウリくんと目が合って、自然と頬が熱を持った。


「……あの、さ。そんな赤くなられると、俺まで照れるんだけど」

「……えっ、あ、ご、ごめんなさい!」

「いや……こっちこそ、ごめん。ミオが上の空みたいだったから、ちょっとイジワルしてみた」


──イジワル、なんて。

こんなの全然、イジワルなんかじゃない。

間接キス。

考えてみたら、普段、たっちゃんともしているけれど。

だけど、たっちゃんは友達で……こんなふうに、いちいち意識したことはなかった。

でも、それを言うならユウリくんだって友達……でしょう?

そう思うのに、また心臓が早鐘を打つように高鳴りだして、目の前がキラキラと星が飛んだみたいに輝いて見えた。

 
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