俺の「好き」は、キミ限定。
「えー、っていうかさ、さっきから普通にラブラブじゃない?」
「手、繋いで歩いてたしね。うちらが入る余地なさそうだよ」
そう言って、女の子たちがユウリくんから目を逸らす。
かく言う私は、正面に座るユウリくんから目を逸らすことができなくて……。
……どうして、だろう。
たっちゃんが相手なら、こんなにドキドキなんてしないのに。
ああ、そうだ。いつだって、ユウリくんだけなんだ。
いつも、ユウリくんといるとドキドキして、自分が自分じゃなくなったみたいになって、気がつくと、彼のことばかりを考えている。
頭の中がユウリくんでいっぱいになって……気がついたら、一緒にいないときでも、ユウリくんのことを考えてしまう自分がいた。
「……行こっか」
「え……、あ、うん……っ!」
いつの間にか空になったドリンクをゴミ箱へと捨てたユウリくんは、立ち上がるとまた私の手を取った。
ひんやりと冷たい手がすぐに熱くなって、真っすぐにユウリくんの顔を見られなくなった。
……どうしよう。どうしたらいい?
ギュッと握られた手の感触がくすぐったい。
思わず唇を噛みしめた私は、背の高い彼の背中をそっと見つめた。