俺の「好き」は、キミ限定。
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「……そういえば、この間話した学園祭、再来週なんだけど。予定、大丈夫そう?」
楽しい時間は、あっという間に過ぎていく。
それは子供の頃から変わらなくて、きっと大人になっても変わらないんじゃないかと、ふと考えるときがある。
「うん、大丈夫。楽しみにしてるね!」
あのあと二時間ほどかけて水族館内を見て回った私達は、帰りの電車に揺られていた。
今日は水族館を出たあとは、近くのカフェでパンケーキを食べて……。
ドキドキしていたせいで、パンケーキの味もあんまり覚えていなかった。
相変わらず今も手は繋いだままで、電車の揺れと繋いだ手の感触が、不思議と酷く心地が良い。
「もしタイミングが合えば、そのときに友達のナルのこと、紹介させて」
「ナルくんを?」
「うん。ほら……ミオは、俺にたっちゃんのことを紹介してくれたのに、俺は未だにナルのこと紹介できてなかったから」
言われて改めて考えるとそうだった。
ユウリくんの口から、よくナルくんの名前は聞いていたけれど、実際の彼には一度も会ったことがなかったんだ。
「ありがとう、嬉しい……」
「嬉しい?」
「うん。だって、ユウリくんの友達ならきっと素敵な男の子なんだろうし、やっぱり、ユウリくんの仲の良い友達を紹介してもらえるのは嬉しいし……」
──どうして?
と、自分で言っておきながら、また疑問が脳裏を過る。
別に、友達の友達に会えたから嬉しいなんて……今まで、そんなふうに特別に考えたことはなかったのに……。