俺の「好き」は、キミ限定。
「ごめん、俺……っ。もう少し、ミオと一緒にいたい」
ハァ……と息を吐いたユウリくんの顔は赤くなっていて、口元は手の甲で隠されている。
「ダメ、かな?」
ダメなんかじゃない。
だって……。だって私も、ユウリくんと同じように、もう少し……もっと一緒にいたいって、思っていたから……。
「楽しすぎて、どうしてもミオと離れ難くて」
「わ、私も……」
「え……?」
「わ、私も、もう少し一緒にいられたらいいなって思ってたから……その……」
「──だから、嬉しい」と、続けて、今にも消えそうな声で言った私の言葉は、ユウリくんに届いたかわからない。
けれど、そっと繋がれた手は温かくて、思わず胸がキュンと鳴るのが自分でもわかった。
『そもそもね、恋はしようと思ってするものじゃなくて、突然落ちるものなんだから』
『気が付いたら落ちてるの。もう引き返せないとこまでね』
ふと、以前、たっちゃんに言われた言葉が脳裏を過ぎった。
恋は、しようと思ってするものじゃない。
気がついたら、知らないうちに落ちてるものだって、たっちゃんは言ったけど──。