俺の「好き」は、キミ限定。
「それじゃあ、また連絡する」
家のすぐ近くまで送ってくれたユウリくんが、そう言って帰っていく背中を見ながら、離れたばかりの手を握った。
……ねぇ、たっちゃん。
たっちゃんの言うことが本当なら、これは……これが、恋、なのかな。
ドキドキして、落ち着かない。
心臓が、自分のものなのに自分のものではないみたいで、いつまでも、ユウリくんのことが頭から離れない。
「……美織? どうしたの?」
「……っ!!」
そのとき、タイミングよく家から出てきたお姉ちゃんと鉢合わせた。
咄嗟にユウリくんの姿を探したけれど、もうユウリくんは、角を曲がったあとで、姿を見つけることはできなかった。
「今、帰ってきたところ?」
ユウリくんが見えないことに、心の底からホッとした。
プリーツの可愛いミニスカートに、袖にフリルがついたブラウスを着ているお姉ちゃんは、やっぱり今日も隙がないほど可愛かった。