俺の「好き」は、キミ限定。
 


「俺と違ってお前なら……きっと、大丈夫だよ」

「……ナル、ありがとう。やっぱり、ナルに相談してよかった」


素直な気持ちを言葉にすると、ナルは何故か複雑な顔をして視線を斜め下へと落とした。


「……別に。お礼を言われるようなことはしてないし。っていうか、その子……ミオちゃん、今度の学園祭にも来るんだろ?」

「ああ、うん。誘ったら、来たいって言ってくれたから……」

「そ、っか……」


呟いたナルが、また難しそうに眉根を寄せる。

かく言う俺はそんなナルの様子を気にしながらも、ふと教室の中を見渡した。

どこを見ても男、男、男ばかりで……。

この学校には女子といえば、数人の先生がいるだけだった。

……当日は、しっかりミオを守らないと。

欲を言えばそれまでに告白さえできたら……もっと堂々と、ミオを守れるのかもしれないけれど。

 
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