俺の「好き」は、キミ限定。
 


『俺は、ミオのことが好きだよ。だから、俺と付き合ってほしい。友達としてじゃなくて、俺と、恋人になってほしい』


──一昨日からずっと、ユウリくんに告白されたことが頭から離れないんだ。

何をしていても、あのときのユウリくんの表情と言葉が思い浮かんで、落ち着いてはいられなかった。

……だって、ユウリくんが私のことを好きだなんて、信じられるはずがないよ。

ユウリくんは誰が見てもカッコよくて完璧な、とても優しい男の子なのに、どうしてそんな人が私を……。


『美織もユウリくんのこと、好きなんでしょ?』

「……っ、」

『好きだからこそ、今、悩んでるんだよね?』


電話の向こうのたっちゃんが、突然落ち着いた声を出す。

不意打ちで尋ねられた私は、思わずピクリと肩を揺らして固まった。


「……うん、好き、なんだと思う」


返事は蚊の泣くような声になった。

──好き。……多分、きっと。

私はユウリくんのことが……好きなんだと思う。

いつだって真っすぐに私を見てくれる、ユウリくんのこと。

私のことを、誰と比べることもせず、受け入れてくれるユウリくんのことが……私は多分、好きなんだ。

 
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