俺の「好き」は、キミ限定。
 


「でも……自信が、ないの」

『自信?』

「だって私は、お姉ちゃんみたいに可愛くないし……。そんな私なのに、ユウリくんに相応しいのかなって思ったら、ユウリくんにはもっと別に、相応しい子がいるんじゃないかって考えちゃって……」


昔からずっと、美少女なお姉ちゃんと比べられてきた。

天使みたいに可愛いお姉ちゃんと、どこから見ても平凡な妹の私。

多分、ユウリくんの隣を歩くのに相応しいのは、お姉ちゃんみたいに可愛い子なんだと思う。

現に水族館のときだって、女の子たちはユウリくんを見て、カッコイイと話していた。


「ユウリくんにはお姉ちゃんみたいに、もっと可愛い女の子のほうがお似合いなんじゃ……」

『ハァ……くだらない』

「え……?」

『相応しいかどうかなんて、そんなの誰が決めるわけ? お似合いかどうかなんて、そんなのどっちでもいいじゃん。大切なのは二人の気持ちでしょ?』


強い口調で私の言葉を切ったたっちゃんは、もう一度小さく息を吐いてから、言葉を続けた。


『ユウリくんは、美織が好きだって言ってんの。美織がいいって言ってるんだよ。それなのに、他に相応しい女の子がいるんじゃないかなんて、そんなことを思うのはユウリくんにも失礼だし、あり得ない』


弱気な私を一刀両断したたっちゃんは、咳払いをしてから再び静かに口を開いた。

 
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