俺の「好き」は、キミ限定。
「たっちゃん、ありがとう……。私、頑張ってみる」
真っすぐに顔を上げて呟くと、声を拾ってくれたたっちゃんが、『頑張れ』と答えてくれた。
「たっちゃんも、ゆっくり休んでね?」
『ハッ……。親友がこれから告白の返事をしに行くっていうのに、ゆっくり休んでられるほど心臓に毛は生えてないよ』
ふぅ、と息を吐いたたっちゃんは、電話の向こうで小さく笑っているようだ。
心強い親友の言葉に、思わず私まで笑みが溢れる。
空は生憎の曇り空だったけど、私は鞄を手に持ち玄関を出ると、駅までの道を一人、急いだ。
✽ ✽ ✽
「わ……なんか、やっぱり違うなぁ」
待ち合わせ場所の男子校前に着くと、既にたくさんの人で賑わっていた。
大きなアーチの飾られた校門には、学校名と学園祭という文字が、とても大きく描かれていた。
周りをぐるりと見渡せば、多いのはユウリくんと同じ制服を着ている男の子と、私と同じように私服を着ている女の子たちだ。
大人の人は生徒の家族とか、学校関係の人たちだろうか。
どちらにせよ、やっぱり学生が多く学園祭には訪れている。