俺の「好き」は、キミ限定。
『俺は、ミオのことが好きだよ』
ユウリくんの言葉を信じたい。
だけど、ユウリくんは私が自分の親友を傷つけた犯人だと知ったら、どう思う?
「……う、ぅ、っ」
考えれば考えるほど臆病になって、答えを知るのが怖くなった。
あのときのトウヤくんみたいに、私は絶望するんじゃないか。
トウヤくんのことだって、もう二度と、傷つけたりしたくないから──。
「え……あ、あれっ⁉ うそ……っ」
そのとき、私はあることに気がついた。
ふと左耳に手を当てたら、今朝つけてきたはずのイヤリングが見当たらない。
右耳には、ちゃんとイヤリングがついている。
それなのに左耳だけないということは、きっと、どこかに落としてきたに違いない。
『シーグラスと一緒に、一生大事にするね』
そう言って、一昨日ユウリくんから受け取ったばかりのイヤリング。
碧い海を閉じ込めたように綺麗な……私の、大事な宝物だった。