俺の「好き」は、キミ限定。
「本当に、全部今更、都合のいい言い訳にしか聞こえないってことも、わかってる。俺がシラサカを傷つけたことは変わらないし、今更許してもらえるとも思ってないけど、でも今言ったことが真実だから」
今、言ったことが真実。
私を傷つけるために言った言葉は全て、トウヤくんの本心ではなく、自暴自棄になっていたために出た八つ当たりだったと……そういうことなのだろうか。
「ほんと……自分勝手だよな」
そっとまつ毛を伏せたトウヤくんは、拳をギュッと握り締める。
「だけど今日は、自分勝手なのも全部承知の上でシラサカに会いに来た。どうしても、ユウリのことだけは話しておきたくて……。それで、今までシラサカのことを待ってたんだ」
「ユウリくんの、こと……?」
突然トウヤくんの口から出たユウリくんの名前に、またビクリと肩を強張った。
「……うん。シラサカは学園祭の日、俺とユウリが友達だって知って驚いたと思う。だけどそれは、ユウリも同じで……。ユウリもまさか、過去にシラサカを傷つけたのが自分の友達の俺だなんて思いもしてなかったはずだ」
思い出すのはあの日の、ユウリくんの驚いたような表情だった。
ユウリくんは私とトウヤくんが、まさか顔見知りであることは思わなかったんだろう。
実際、私もトウヤくんがユウリくんの友達の"ナルくん"だったと知って驚いたし、こんな偶然があるのかと、悪い夢を見ているような気にもなった。