俺の「好き」は、キミ限定。
「シラサカ、本当にごめん! 俺──」
「私の方こそ、あのときは本当にごめんなさい」
「え……?」
トウヤくんの言葉を切って謝ると、私は彼に向かって深々と頭を下げた。
突然の私の行動に、ユウリくんもトウヤくんも驚いている。
だけど私は……。私も、もうずっと前から、トウヤくんにあの日のことを謝りたいと思っていたんだ。
「なんでシラサカが謝るんだよ……」
「だってあの日……私も、トウヤくんを傷つけたから」
「俺を、傷つけた……?」
「……うん。まだ恋も知らなかった私は、恋をしていたトウヤくんを安易な言葉で傷つけたの。だから……悪いのは、私も同じ。トウヤくんが私に謝るなら、私だってトウヤくんに謝らなきゃいけない」
今、ずっと言えなかった言葉をようやく言えた。
先程のトウヤくんの話を聞いて、私はある結論に辿り着いたんだ。
多分、あの日の出来事は、お互いの気持ちに余裕がなかったことが一番の原因だった。
私は、私が軽々しく二人の恋に口を挟んだせいで、トウヤくんが告白してフラレたのだと思って焦っていた。
私が、『お姉ちゃんもトウヤくんのことを特別に思っているかも』なんて言って、期待させたから……。
挙げ句の果てには、お姉ちゃんとは友達に戻ったほうがトウヤくんは幸せなのだと決めつけて、失恋に苦しむ彼を更に追い詰めた。