俺の「好き」は、キミ限定。
「朝の満員電車で痴漢にあったところを他校の先輩に助けてもらって急接近……」
去り際に、そっと生徒手帳を落として彼との繋がりが消えないように一工夫!
……って、あざとい。これ大丈夫?
それに実際、私が落としたのは生徒手帳ではなく、恥ずかしい恋愛指南書だった。
だからやっぱり、そもそもスタート地点からズレてしまっている気がする。
「……大丈夫。似たようなものだよ」
……そうかな?
言い切った彼の言葉に思わず首を傾げたけれど、彼はどうやら本気のようだ。
ああ、もしかして……。
彼も私と同じで、"恋"に興味があるのだろうか。
だとしたらやっぱり、彼とは話が合うかもしれない。
たっちゃんには馬鹿にされたけど、この本についても色々語り合える友達ができるのは、すごく嬉しい。