俺の「好き」は、キミ限定。
「俺は、ナルにもいつか──」
いつか、その茨を解いてくれるような、特別なキッカケが訪れたらいいと思ってる。
けれど、そう言いかけたとき、不意に机の上に置いてあった携帯電話が震えた。
画面を見ると、【ミオ】という名前が表示されていて心臓が大袈裟に飛び跳ねた。
──ミオからのメッセージだ。
昨日、駅で連絡先を交換して、夜に何度かメッセージのやり取りをしていたのだけれど、途中で返事が途切れて以来だった。
「……ミオちゃんからだろ? メッセージなら、早く返信したほうがいいんじゃないの」
言われてハッとした俺は、改めてナルへと目を向けた。
すると、ナルはもうスッカリいつも通りの余裕たっぷりな表情を浮かべて、読みかけだった漫画のページをめくっている。