俺の「好き」は、キミ限定。
「一度、美織の頭の中を見てみたいわっ。きっと、立派なお花畑なんでしょうねぇ?」
「う……っ」
斜め上から見下されて、私は返す言葉を失った。
実際、たっちゃんの言うことは一理あるとも思うから、余計にだ。
もともと、恋に恋する私の頭の中はお花畑に近いだろう。
加えて、恋愛指南書に書いてあることを実践してみようなんて、誰が聞いても変な話だと思う。
「でも……」
それでもあのとき、ユウリくんの真っすぐな目に見つめられたら、断れなかった。
……ううん。私自身も、ユウリくんからの提案を受けてみたいと思ったんだ。
だって、私はずっと、"恋"というものに憧れていたから。
人を好きになるって、一体どんな気持ちになるのか……ずっと前から、知りたかった。