俺の「好き」は、キミ限定。
「……でも、心配なんだよ」
「え?」
「だってまた──美織が、傷つくんじゃないかと思って、心配なんだ」
すると、数秒の間を開けた後、不意にたっちゃんが呟いた。
「美織には、もう傷ついてほしくないから。だから……すごく、心配なんだ」
──私が、傷つく。
ズキリと胸が痛んだのは、たっちゃんの言葉が過去の記憶を呼び起こしたからだった。
『お前なんて、愛美さんのオマケのくせに』
脳裏をよぎるのは私を見る、軽蔑に濡れた目。
鋭い棘のような声が凶器になって、私の心を強く、深く、突き刺した。
「ユウリだって……アイツみたいに、美織のお姉ちゃんが目的で、近づいてきてるのかもしれないだろ」
言われてようやく、私はなんでこんなにたっちゃんが、ユウリくんとのことを反対しているのか気がついた。
……ああ、そうか。たっちゃんは、心配してくれていたんだ。
だからこそ、慎重になって心配してくれた。
……私って、ほんとにバカだ。
頭の中はお花畑どころか、年中無休でお花屋さんまで営業しているのかもしれない。