俺の「好き」は、キミ限定。
『恋をしたこともないお前に、俺の気持ちの何がわかるっていうんだよ』
棘のある声は今も心に刺さったままで、時々……どうしようもなく、痛むんだ。
「ちゃんと気をつけるね、ありがとう」
もう一度たっちゃんにお礼を言うと、たっちゃんは、それ以上、何も言おうとはしなかった。
……ありがとう、たっちゃん。
私はやっぱり、たっちゃんのことが大好きだ。
大好きで大切な、かけがえのない大事な友達。
「じゃあ、また明日──」
そうして、たっちゃんと別れて教室を出ようとすると、不意にスカートのポケットの中で携帯電話が震えた。
慌てて取り出して見れば、ユウリくんからのメッセージが届いていて、思わず心臓がトクリと跳ねる。
……なんだろう。
恐る恐るメッセージを開いてみると、レッスンについての話の続きが書かれていた。
【夕飯を食べ終わったら、連絡して】とのことだ。
「……っ」
反射的に、ギュッと携帯電話を握りしめた。
たった今、たっちゃんに忠告をされたばかりなのに……メッセージを読んだだけでドキドキするのは、どうしてだろう?