俺の「好き」は、キミ限定。
『……ミオ?』
真っ暗な部屋の中で、心地の良い声が名前を呼んだ。
だけど、そのユウリくんの声を聞いていたら、段々と眠くなってきて……。
「ユウリ、くん……」
ずっと緊張していて、疲れたせいかもしれない。
昨日も、ユウリくんに抱きしめられたことを思い出して、なかなか寝付けなかったんだ。
『ミオ……おやすみ』
まどろむ意識の中で、優しい声が耳に触れた。
気がついたら私はいつの間にか眠っていて、目が覚めたときには窓の外は明るくなっていた。
「ミオー、起きたの?」
「ん……」
扉の向こうから、お母さんの私を呼ぶ声が聞こえた。
慌てて飛び起きた私が携帯電話を見てみると、時刻は朝の6時半を過ぎていた。