俺の「好き」は、キミ限定。
『……ユウリ、くん』
ぽつりとミオの口から零れた自分の名前にドキリとする。
……今すぐ、抱きしめたい。
木登りをしていた男の子を助けた公園で、衝動的にミオを抱きしめてしまったときのぬくもりは、消えてくれそうにない。
華奢な身体はすっぽりと腕の中におさまって、綿菓子みたいに柔らかな髪は触れただけで本当に溶けてしまうんじゃないかと思った。
──好きだ、なんて。
今はまだ声にはできないけれど、どれだけ想っても足りないくらい、俺はミオが好きなんだ。
『ミオ、俺……』
言いかけて、言葉を止めた。
ミオといると、どんどん欲張りになっていく。
もっと彼女と一緒にいたい。
彼女を独占したいと思うようになって、そんな自分を抑えるのに必死だった。