工業高校のイケメン達に愛されて【下】
学校へ着くと予想通り、登校している生徒はまだ少なくて。
自分のクラスの下駄箱をちらっと覗くと、みんな上履きがあって…まだ誰も来ていないみたいだ。
普段1番乗りで登校することがないから、なんか新鮮。
ふふ、と笑みが溢れた。
上履きに履き替え、ローファーを下駄箱にしまおうと片手で手に取ったその時。
「緋奈ちゃーんっ!」
…と、背後からあたしを呼ぶ声がした。
あたしはその声の方へ振り返る。
振り返ると見慣れた4人の男の子がこちらへ向かって歩いていて。
陸くんが先陣を切っていて、そしてあたしに手を振っていた。
今あたしのことを呼んだのも、陸くんだ。
こっちに向かってくるみんなに向かって、あたしも手を振って、挨拶をした。
「みんな!おはよう!」
陸くんと坂口くんは笑顔で、あたしと目を合わせてくれた。
相葉くんと滝本くんは、なんだか眠そうで…いつもぱっちり開いてる綺麗な目が…開いていない。